とけないこおり

好きなものへの気持ちを素直に

異担侍日報侍ふ(矢花さん)#4_210512に寄せて

 

矢花さんのブログを読んだ。

まさか自担から、タグで考えを届けてねと…意見表明を推奨されるとは思っていなかったので戸惑っている。アイドルが発信したあらゆるもの(曲、詞、動画、写真、発言等)を解釈すること、それを発信することは、ファンの間でも意見が分かれるし、何より届いてしまう相手(アイドル)がどのタイミングでどう受け取るかわからないから正直迷った。なんならこのブログ…よくわからない概念カレーの記事とか創作短歌のメモがつまったブログに投稿することも迷った。迷ったけど、「とある人間のオタク成分」を抽出した記事にまざって「とあるオタクの平凡な人間としての生活の成分」が強い記事があってもいいだろうと思い、ここに記すことにした。続けててしっくりこなくなったらnoteでも作ろうかな。そういうわけで冗長な自語りブログだけど許してね。ブログってそういうものだし。

 

 

本題。

 ”過去に戻る”

それをしてどうなりたいかにもよるとは思うが、「現在の自分をより良くしたくて(マシにしたくて)、変化のために過去に戻れたら」という理由であれば、「戻らない」というのが私の選択だ。

過去に戻ったら現在の自分を否定する、今自分が抱えているものを手放すことになるのでそれはできない。少なくとも私は今抱きしめているものに価値を感じているからだ。

割と平和な、平凡な人生を送っているのでドラマティックなことは書けないけれど、少なくない人数に経験がありそうなことで例示をしてみようと思う。

私は大学受験に大失敗して(10校うけて何とか1校だけひっかかった)、悔しくて仮面浪人や自主退学も考えたことがある。でも「今自分が得ているもの(友人や学び)」と「仮面浪人して成功/失敗した場合に得られるもの」を比較したときに魅力を感じたのは前者…今の大学、環境でやりきることだった。勉強もやりたいことも趣味も全部やってやる。そう決めて過ごしはじめてからは同じ環境にいても楽しいと思える瞬間が増えたし、漫然と4年間を過ごさずに済んだ。次のステップを選択するタイミングである就職活動では自分なりに大学受験の時の失敗を分析したり、自分が選んだ選択…その大学に居続けたことで得られた経験をもとに面接での回答を組み立てたりして、結果第一志望に受かることができた。

大学入学時点では失敗だと思っていた状況を、自分の考え方を変えて、行動を変えたら、4年後に成功だと思える状況が待っていた。この経験は私にとってものすごく大きかった。

もちろん就職してからしんどかったこととか精神的に病みかけたこともあるけれど、納得して自分で決めた道ということもあり、今の会社を選んだことを失敗だとは思っていない。ただこの不安定な時代、いつ会社がなくなるかもわからないので自分の足で立つ努力を怠ってはならないなと思う。

成功/失敗だと思える状況」とさきほどからしつこく書いているのは、時点が変われば見方が変わるからだ。成功だと思える状況である今が崩れないように、今の時間を未来のために投資することを怠りたくない。これは数年後数十年後の自分が、過去に戻れたらと絶望することがないように、現在地の自分から未来に向かって届けられるささやかな贈り物のようなものだと思っている。 

 

ただ、「自分の現在地を変えるほど影響はないけれど、もう一個の選択肢を選んでみたかったかも」ということはチラホラある。RPGでいうと、ストーリーは変わらないけれどもらえるアイテムやパラメータが変動する感じ。

人がイジメられているのを見てみぬふりしないとか、電車内でトラブルにあったときに加害者に言い返すだとか、嫌なものを嫌と断るとか。

「あの時ちゃんとできていれば、自分の中にある影の要素が減っていたかも」とふと考えることがあるが、失敗して得る感情、わかる立場があることで人に対して寛容になれるのだと思うから、これもやっぱり過去に戻るという選択肢はとらないかな。戻ったところですべてのパラメータが上がるわけではないし。

仮に戻れたとしても、私の性格上どこかで努力を怠ったり、その道の狭き門をくぐれる可能性を信じてあげられなくて、結局似たようなベクトルの位置に収まっていただろうなと想像する。結局、自分が幸せだと感じられる未来を選びとる瞬間はいくつもあるけれど、その中でも特に大事な選択について、しっくりくるものを選べていたら、それでいいんだと思う。*1

ダラダラ書いてしまったけれど、戻れたとしても、自分の性格のネッコの部分は変わらないまま色々な選択をしていくわけだから、ドラスティックな変化は望めない⇒「現状をよりよくするという観点だけで言えば、過去には戻らない」というのが私の意見かな。

 

このブログを書きながら、同期が言っていたこんな言葉を思い出したりもした*2

「〇〇が40になった時に、今の選択を後悔したり、人を羨んだり、自己肯定感が下がることがないようにすればいいんじゃない?」

結局これに尽きるのだと思う。

 

余談:矢花さんのブログを読んで、 昔フジテレビ系列でやっていた『ロス:タイム:ライフ』というドラマを思い出した。オムニバス形式のドラマで各話の主人公が死ぬところから物語が始まり、各々の後悔を人生のロスタイムの中で晴らすというもの。過去に戻ることとは時間軸の取り方が違うけれど、ある種人生のどこかにキューを置いてやり直しているドラマだと思う。DVDかオンデマンドで見れる。私は第3話のスキヤキのはなしと、第9話のひきこもりの話が好き。

ja.wikipedia.org

 

*1:そもそも現状が死にたいほどつらい人にとっては、手放したいものだらけだろうから過去に戻る選択肢がとれたらいいのかもしれない。生まれる家は選べないし、スタート地点でハンデ付きなんてザラだし。私が語るべきことではないが

*2:背景としては、年齢的に結婚とか考えるけどそもそも恋愛したくないし向いてない、でも世間からの風当たりが強くてしんどい…とぐるぐる悩んでいた私に同期がかけてくれた言葉